2022年5月2日 ウランバートルのコンビニ

 2022年現在、ウランバートルには韓国系のコンビニが2社あります。一つは紫地に黄緑色が目印の「CU」、もう一つは黒地に水色の「GS25」です。

 私のお気に入りは「GS25」なのですが、その理由は店内の雰囲気と品揃えです。店内の雰囲気は日本のファミマやローソンに近く、入ると安心感を覚えます。そういえば、どの国でも構造や雰囲気が万国共通の空間に入ると湧き起こる安心感と地に足がついていない感覚を表す用語がありました(今ぱっと思い出せない…脱空間化とか脱なんちゃら系だった気がします)。コンビニではなくショッピングモールですが、『ショッピングモールから考える』の東浩紀と大山顕も近いことを言っていました。

 それに加えて重要なのは、世界中のモールが同じ文法でつくられているということ。シンガポールでもドバイでもミネアポリスでも、モールのなかだけはルールが統一されているので、フロアマップを見なくてもどこになにがあるのかが直感的にわかる。昔は海外旅行では、その街のどこになにがあるのかを知るところから旅が始まっていた。そこにすごく時間がかかったのが、モールではまったく必要ない。不思議な空間ですね。

 CUもGS25も、基本的に日本のファミリーマートやローソンといったコンビニと同じ文法でつくられています。入口からレジまでの商品の配置、客の流れ、店員の対応、レジ横のホットスナック等々とても馴染みのあるものばかりです。耳を塞ぎ、商品に印刷されたキリル文字さえ無視すれば、どこの国にいるのか分からなくなりそうです。韓国系コンビニだから日本のそれと似てくると言われればそれまでですが、それでもモンゴルで日本のコンビニと同じ文法を用いたコンビニができたというのは面白いことだと思います。
 一方、それとは反対にローカル化も起きています。GS25のレジ横のホットスナックには、モンゴル料理のマントーンボーズやホーショールが並んでいます。旧正月前後の時期には、コーヒーコーナーのラインナップにスーテーツァイが入っていました(店舗により今もあり)。初めてモンゴルのコンビニに入った時、グローバル化はそれをした瞬間ローカル化する例がここに現れているとしみじみした記憶があります。これがグローカル化か。

 さて、話は全く変わりますが、今日はGS25に行っておにぎりを3つ買いました。見た目と包装の仕方は日本のおにぎりとほぼ一緒です。CUのおにぎりは包装を解くとお米がボロボロこぼれ、「おにぎり」とは…と哲学モードに入ってしまうのですが、GS25のおにぎりは比較的しっかり「にぎ」れています。
 今日選んだ具は、プルコギ、ツナ、スパイシーオニギリです。プルコギおにぎりのご当地感(ここは韓国ではなくモンゴルだけど)が好きです。



(おまけ)
 この機会に、軽くCUとGS25の親会社について調べてみました。

・CU:2015年にモンゴル初のコンビニ「Central Express」を設立したプレミアム・グループ社が、世界のコンビニチェーンの経験やノウハウ等をモンゴルに取り入れるため、CUブランドを持つ韓国のBGFリテール社と2018年にフランチャイズ契約を結んだことでできた。現在140支店。

・GS25:親会社は1991年にコンビニ業を開始した韓国のGS25。モンゴルには2021年5月に3店舗開店して以来店舗数を伸ばしている。
 (公式サイト(英語版)及びネットニュース The Korea Herald:GS25 opens 3 convenience stores in Mongoliaより)

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