20240417 【翻訳】ウランバートル副都心計画

　先日、モンゴルのネットニュースを眺めていたらこんな記事を見つけました。

Сэлбэ дэд төв дэх гэр хорооллын хөрөнгийн үнэлгээ үргэлжилж байна
セルベ副都心におけるゲル地区の財産評価は継続中｜gogo.mn（2024年4月16日）

　お恥ずかしながら、ウランバートル市内の都市開発とインフラ整備状況については少し昔の知識しかなく、「セルベ副都心」なるものの存在を同記事で初めて知りました。

　というわけで、今回は市内の副都心建設計画の公式サイトに記載されている「計画概要」を翻訳することで、現在の都市計画について勉強したいと思います。

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翻訳元：Хөтөлбөрийн танилцуулга - Шинэ дэд төв: Улаанбаатар хотын гэр хорооллыг хөгжүүлэх хөрөнгө оруулалтыг дэмжих хөтөлбөр（計画概要 - 新サブセンター: ウランバートル市ゲル地区開発投資支援計画）

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計画概要

プロジェクトのコンセプト

　ウランバートル市マスタープランには、都市を平等に発展させる方針により6つの副都心を設立することが反映された。プランの基礎調査および基本方策を2009年から策定し、財政投融資総協議を2013年12月9日にモンゴル国家大会議にて決定した。

　この社会・エンジニアインフラ事業を9年間3段階にて実施する。「ゲル地区開発投資支援計画」は、副都心を設立する基礎「インフラ」の諸事業を実施している。

エンジニア革命をゲル地区において展開する根拠

• ウランバートル市人口の約60％はゲル地区に、生活に必要な第1段階のインフラがない状態で暮らしている。
• 災害レベルに達した大気汚染の80％は、ゲル地区の煙突の煙と脆く砂っぽい土壌に起因する。
• 世界で最も暖房の季節が長い首都の総人口の約60％は暖房設備を持たない。
• 都市計画が秩序立っていないため、社会需要を満たすインフラや建設物を建てる空間の不足が生じた。
• 10万強の穴掘り型トイレがあることで、ウランバートル市の土壌や地下水を感染性の菌で汚染する危険性が発生した。
• ゲル地区居住者1名あたり1週間につき5～10リットルの飲料水が消費されているが、これはアパート居住者1名あたりの消費量と比較して25～50倍少ない。
• 行政、社会サービス、職場、ビジネス市場の環境は局地的である。

1つの中心を持つ都市から複数の中心を持つ都市へ

• インフラ建設事業を始めることで、市民が自身の土地を返還し社会需要のために解放することをつうじて社会インフラが充実する。
• 新しい副都心が発展し、ビジネスを行う好条件が整い、販売サービス市場を拡大することで働き口をつくりだし、その結果、10万強の市民が各副都心から利益を享受する。
• メイン自動車道の拡張・刷新事業、および新たな敷設事業を工学インフラ網と同時に実施することで、ウランバートル市のゲル地区の風景が根本的に変化する。
• ゲル地区居住者が直接参加し、自身の意見を自由に表明して団結し、互恵的に協力する。

プロジェクトの利点

煙の減少

　都市気流の上に位置するゲル地区地帯に工学インフラを設置することで、ウランバートル市の大気汚染および土壌汚染の削減にプラスの影響を与える。

都市中心部の渋滞緩和

　ウランバートル市に6つの新しい副都心ができることで、製造、販売、サービスの新しい機会に開かれ、枠組みが拡大し、都市周縁部から中心部への移動需要を減少させる。

　ゲル地区のインフラを整備により、経営者や企業が新たな意見や提案を提出し、活動の拡大をつうじて恒久的な雇用が創出され、市場機会が広く開かれる状況を整備する。

都市周縁部で中心部のように暮らす

　インフラに接続されることで、行政・社会サービスが利用できるようになり、快適かつ安全で清潔な環境で暮らすための新たな状態が生まれる。